◆ 巡礼 ◆ コラム「ままかり」より2011年11月13日 02:28

 出家とは、家を出て仏門に入ることである。このごろ、プチ出家といって、出家気分を味わう人が多いという。寺院もよく受け入れてくれる。一泊2日ぐらいで、読経に始まり、法話を聴いたり、座禅をしたり、社仏や写経をし、僧侶の修行を体験する。

 社仏は仏画を描き写し、写経は経文を書き写すことである。カサブランカにおられるTさんは、毎日、筆で、「般若心経」262文字を書いている。写経をはじめてもう20年余りになるそうだ。

 巡礼さんは経文を唱えながら聖地を巡る。四国八十八ヵ所は、徳島の霊山寺から、所々の札所をへて、香川の大窪寺へ、四国を一周りする。ゆるい道も多いけれど1400キロある。今は乗り物があるが、昔は歩いて参り80日余りかかった。Tさんも巡礼されている。

 西国33か所は観音霊場である。和歌山の西岸渡寺から岐阜の華厳寺までで、1000キロある。道のけわしいところがあり、法灯リレーで1年半かけて巡る人もある。岡山、広島には中国33観音霊場がある。参拝者も多い。

 作家の五木寛之さんは、2年間の百寺巡礼をしている。それで、「お寺参りはよい。学ぶことが多く、足腰が強くなる」と、言っている。信心すると、なんとなく日々のありがたさを感じ、心が穏やかになる、と言われる。


 ありがたや たかののやまの いわかげに だいしはいまに おわしまします